解釈は幾通りも。

 

詩は読み手様の解釈で、

詩を読んでいただけたら幸いです。

ファンアートは全て読み手様の解釈の元描いて頂きました。

ありがとうございます。

 

いつか、詩の本来の意味を書き綴り、絵も添える予定であります。

ですが、それまでに、

色んな方が語り継がれる。色んな解釈の中で、

楽しんで頂けたら幸いです。

 

new、カクヨムさまに投稿ページを用意しました。

読みやすいように整理致しました。


ー無情ー 『ハ』

己の欲求不満
満たす為には
犠牲、伴うこと不可欠

理とは何ぞやと、知らぬ顔
仏の印に背いても
堕ちる手前を嗤っても

有無なんて、聞かずに

総じて、君とは
果ての教祖言わずもがな


漫画 / へーへーもくじ


ー嗚咽ー 『ニ』

手向ける伝搬には
それはそれは、
魅了もされます

鮮やかで誠実に咲いて

手向ける伝搬には
それはそれは、
達者で、あります

あんたの仰る売り文句
僕は物欲しさに金を積むけれど
手に入れたって
その伝搬は、独占を許されない

渇いたら汲み
恵みを求め
幻想に抱かれる

欲に芽を潰し
呑まれ、仰いで
美しや、美しやと
崇め奉らん


漫画 / へーへーもくじ


ー憾みー 『ロ』

有為転変
常世はハイカラ散りばめ眼孔埋める、流れ作業

已むことなく進み荒み
観る定めをウラ噛み締める

我が子を陶冶し
立派、廻天と成るまでは
静に身を預け時を待つしかなかろうと

天変地、異をも轟け謳えや神風よ
努め努め実る
その御来光を忌へ



ー観音ー 『イ』

睨むや来世、瞑らば娑婆を
誠の現しは時世の閉鎖
輪廻の巡りは堕落へ一歩
刻みなれば御鏡逢わせ
写し、己が映ろうものか

揺るがぬ疹を助骨で包み
数多の聲に聴く耳持たず
其の瑕よ、甘んずることなかれ
露は玉響彩るが
奉仕致すと痕は哭く

景観視る穢れや悲憤慷慨
縋れ委ねと掌に釈迦であるか
蓮華を枯らし、溜池底の蠢く淀み
背を向けては成らぬ
逸らすな、眼

毒を浴び、焦がれるな
邪心を捨てゆけ
非道であられよ
逆さ言葉を唱え綴り
徳とは即ち罪である


イラスト / 空本


06

故に何を望むか

唯唯虚ろな記憶の中に抱かれていたい

 

術はないのだろう

私は名を上げる為にこの地に来たのだから

 

止むことのない銃声、感覚は麻痺

 

怯える間も無いまま

日の出を拝み


今日も明日も鉛を掲げ

帝都を背中に一歩一歩と堕ちてゆく


お國の為に、お國の為に、



産道

青白い病棟の昼下がり
長い廊下を歩く影
揺らぐカーテンから溢れる光は
冷たく空間に浸透する
足音鳴らし響かせて
咲う声、聴こえる平音

ー碌ー

弾なんて入ってないのに
銃口向けて、余所を犠牲にして
他に路はあった筈なのに
自ら避けて正面突破しか
脳がないんだから
愉しいかな

抑揚つけてさ、柔らかくしてさ
多様に構えてみなよ
ほら、さ、ほら、ね

貴様は云いやる、ロクデナシ
勝手にどうとでも決めたれってんだ
俺は俺で活かしてんだ
関係ないね、楽に堕ちりゃ良い
血に縛られんのは、厭なんだよ

簡単に考えてみな、面白くしてみな
莫迦になってみな、舌出してみな
愉しいからさ愉しいからさ

探るな詠むな急くな成らずで居ろ
吐け
踊れ恥じるな曝けだせ、
けれども最期は応えるな
知ってんだろ

弾もきっちり埋まってんだ
俺も解ってる、解ってるさ
背中ばっか観てさ、
先陣切ることしないから
可笑しくてな
阿呆らしくてな

生き恥晒して突っ込んで
転じて怪我して塗れてな
知ってんだろ

観たくてな、満たなくてな
無様に手前をさ、奏でたくてさ
ほら、さ、ほらね、ひょいっと、さ
楽しいかな、楽しいかな


イラスト / へーへーもくじ


ー縛ー

るいが、智を呼び累々綱なり『よく似ている』とは…

何処をどう観て云いよりますか
真逆な我等に云いよりますか
属して溜まるか、笑かすな
個性輩、意義を表しますか

無垢とは安直なくなく侮れぬ
可能性とは原料そのモノである
枠を超え戯ける道化
動向探るも想定出来まい

『ほら見たことか』

王手を打つのは、わたくしでありまして
同義よ有りけり付いて来まして
呉々義理切り、御免遊ばせ
努々度々、善処致します

放浪するや、旅させろ
空けが行を棚に上げ
掌隠しの銭失い
勘当咋い木偶の坊
唐変木とも申すか愚図め

『ほら見たことか』


イラスト / へーへーもくじ


ー至ー

積み木を積む、には飽きたから
人形の首を潰した
簡単に壊れてしまうんだって

玩具箱はいつも空っぽ

花は、僕によく似ていて
難しいことを言わない
嘘も出来ない
偶にトゲが刺さるけれど
今はそれすらも愛おしく感じる
そして、僕に笑みを掛けてくれる

だから、愛でた

その笑みったら、可愛いから
好き、という感情も
受けられる歓びも
玩具箱にしまい込んだ

そしたら、花は枯れてしまって
また活けてくれない

絞めて占めて閉めても、
項にも考にも乞うにも、

起きてくれやしない、
暮した記憶を燃やして、灰を伴に弔って
僕に出来る施しは限られた

『水を遣りなさい』

遣れば鮮やかに踊り舞うんだって、
僕によく似ているけれど、
異なる花は、
また笑みを魅せてくれたんだ

玩具箱はいつしか、
たくさんの玩具が溢れかえっていて
遊んでおくれよと、向こうからせがむ

花が従えと言うのなら、
僕はそれに応えよう

人形の首、壊れてしまって
葬して想して創しても
施しは限られるから、元に戻せやしないって

次に、玩具箱にしまい込んだ

 

 

 

花、と言うのは【双子の兄】
水、と言うのは【仮染めの微笑み】
人形の首、と言うのは【正当性】
玩具、と言うのは【対価の報い】
玩具箱、と言うのは【許容範囲】


イラスト / へーへーもくじ


ー痣ー

卒塔婆を立てて善行しました。
然すれば、供養と成り安寧の元
叶い眠れるのだろうな

成らずままで歩み
立てることなく背負い
重たい脚を引き摺り
砂埃が纏わり付く

秩序を乱し
報いを得られるか
阿呆、んな世なぞ要らぬ

人間は醜く腐りまた人間を造る
釈迦の御前となれば
己の濁を隠し、悼みを唱う
愚かな、延々イカれている

痣は語り伝え
うつつと常に向き合うように
じっと見遣り、酷を掛ける

消えることはなし
消すこともなし
だが、刻まれるは腐れの皮
成らずままで歩み
立てることなく背負い
供養させまいと留まる様は
俺も穢れたあやまちだからだ

卒塔婆に刻もうか
手前の不義を刻もうか
潰されまいと脚を止めず
砂埃が嗤い辿りを侵し
咎を積んでは殺めよ

滑稽だな、そんなものか


イラスト / 空本


ー日照雨ー

煩わしい小雨と酸

吉報とは如何にして、

でやった矢先に打ってやろうと

丹に唆られ申す……申すと

急くな、成らずで居ろ

急くな、成らずで居ろ

曼荼羅と咲う君に

功徳、即ちよいよいと



ー鈍ー

尽くせど尽くせど仁義の為に
試せど試せど向上目指し
堕ちれど堕ちれど振り向くべからず、
請わせど請わせど御家や志に

御影の睨みは耐え難く、
目先に飛び交う錦の糸
掴めよ手繰れよ一本線
貫き、己は通せるか

敬礼せよ、鎮守せよ
散るは花弁、継への斉え
礼賛せよ、得と見よ
吉報なくして、留まれぬ

何故哀しく両腕差し出すか
世は大乱、戦なくして来世有らず
銘に平伏せ、汚せや靴底
鞭に討たれよ、誠に侮るか
己の蒼さに変わらず陥る

天明願掛け、西日へ万歳


『欲しがりません、勝つまでは』



「ピアス」

(以前テーマを決めて頂いて書いたものです。百合の花。)

「ホールが固まるまで弄っちゃいけないよ。」

開ける痛みと刻む情景。
ファーストピアスは可愛いもんでしょ。

そう、可愛いもんよ。
可愛い、可愛くて可愛いくて、
目に入れたって痛くない。
痛くない、感じない。
感じないの、ちっとも感じないの。

縋るもんったって言いつけ守って。
固まるまで弄っちゃいけないから、その時まで待ってるんだって。

待っててもさ、固まってもさ、
飾るもんってば無かったらさ、
ねぇ、ピアス意味無いでしょ?

ほらまた、そうやって
身体に穴開けてくんだ?
飾るもん無いくせに開けてくんだ?

ファーストピアスは可愛いもんでしょ。
でも、アタシの身体には何個も何個もファーストピアスが在って
弄っちゃいけないから、そのままで
いつまで経っても飾れなくて

アタシの身体は穴だらけで、あんたは綺麗で
綺麗で、飾りたくて
綺麗を、飾りたいから
でも、無くて

あんた、居なくて

「居ないじゃん」

笑っちゃうね
残ったのは、
ぽっかり開いた穴と少しの……

ー額ー

道はいつだって月が廻り灯されて
頼りに迷いはない

相対の空論を絡めて弓弦を切る
嗚呼、潰れる茜
藤棚を垣間見て揺れる凛よ

想えば想う程、掴めない
逃げるんだ、そうやって

蓄積される臓物の丹
滲むんだ、そうやって

痛み、感覚は麻痺
コントラストと偽り

唯、少し
其の淡い端が、螺旋を描くから

こうして待ち惚けている
成りたかったソレは、
そぐわなくって
憎たらしくて

道は茨が生い茂り
傷だらけで、
それでも
頼りに羅列した

想えば想う程、掻き毟り
その湿疹を噛みちぎり

己の陰でさえも演じきる
完璧だ、そうさ完璧だ



ー啼ー

それはとうとう沈殿した

捉えられまい手遅れだ
微かに滲んだ記憶も
残る足跡だって改竄した

裸足で軋む廊下を歩くような
刺さる冷たさが染みるような
そうだそうだ
切なくもあったかな、どうだっていいよ

僕は繰り返す

幾年も蓄積して
その容易に消し去ってしまって

想いだとか暖を取るなんて
何も無い己が滑稽で虚しくて
知らないままで、支障もなかった

ドアノブなんか邪魔でいて
壊してしまって
鍵なんて飲み込んでしまって
ここから、後は深く深く潜るんだって
誰にも見つからないところまで

僕は繰り返す



ー監ー

急くな、成らずでいろ

 

頂きを目指した時分に、

屈強な采配であしらった末路を

 

賑やかに祭を、

杯に蜷局を、

奥底に流れを、

 

据えた眼差しは、

総てを見切った様だ

 

なくなく受け入れようか

血肉の耽美なことよ

 

耐えず想い、無様に舞うか

絶景の笑かすことよ

 

創造世界に閉じ籠り、

愛しい愛しいと離れられぬ

 

貴様は何をそう更ける

夜は幻覚に過ぎ、

朝は戦の幕開けだ

 

果たして、

そうだろうか?

そうだろうか?


イラスト / へーへーもくじ


ー呉々ー

その軟弱さに喰われちまった

リアリズムなんか要らないさ

他人事なんだからさ

 

世知辛いなあ

手前勝手な造語で抜かりはないとも云いますか


失笑、

 

所謂揺蕩う狭間のようで

ちょいと意地を見せれば豹変っぷりですよ

 

笑っちまう掬って魅せましょう

裂いて清めましょう

 

盛んなジャンキー、最早国宝ですよ

 

泣きますかあどうぞ

 

東西南北延々巡っても堪えるだけで摩天楼

見上げては首痛めるだけで

 

トロワ投げた脚なんて呆気なくて

閑古鳥が鳴き徒然に暮れ腐れきった天道様に拍手喝采

 

タイトな人生なんぞ垂れてしまえ名声を望むかウルサイな

 

有限に在るんだから多様に構えてみなよ

伸ばした手なんて書き換えてさ

 

敢えて覚悟というのならばそれは愚問であって、

カワイかったらまあ差し上げます

 

葵、

ような酔うな門に冷酷非道と成らせますか

嗚呼ナンテこと、

素知らぬ貴方はビジネスライクに熟しますから

 

素晴らしや素晴らしや横目に御膳立てしてやりましょう

気に病みませんか悠揚迫らずフザケルな偽りだ

 

発泡性の有る様子で志とは時勢が異なるんだよアホンダラ



「沸々」

青い春であった

 

そぐわない、気息奄々

高嶺の花なんぞ、承知の上であった

嗚呼、探る余地も無かろうに

 

幾度と、抱えたことか

幾度と、殺したことか

 

情感を叱咤し、

納め、激励、囃し立て、

 

そうしたつもりだったのさ

 

己は墓前にも行けぬ、

脳裏に横切る微笑みは、

痕のように生涯共に暮らすのだ

それで良い、それが良い、

 

哀しみなんて言葉では片付けられない、

報はいつ時も手遅れだ

足枷は後に外れるのであろうか

 

騙されたんだ、そうさ

嗚呼、幻想であったのかも知れない

なんて、

総じて、言わずもがな

 

徒然と、唯茫然と……

並び咲きほこる手前は、

怒りすらも覚えるだろう

果たして、己は報われるのだろうか

光は何処にあると言うのだ

 

笑っちまうね、単なる嫉妬さ

 

己は確固たる意志なぞ、

持ち合わせていないのだから

 

青い春であった

 

捧げたさ、それでもう、

良かろうに、良かろうに……

燃やしてしまおう、灰にしてしまおう

 

貴女が背中を押してくれるのならば

闘うさ、負け戦だとしても、

身を削ることになっても、

血反吐を、己の卒塔婆に塗りたくってやるさ

 

吉報、

貴女はきっと喜こぶだろう

 

天の国へ想いを載せた文を送りたい、

そんなことが、できたらなあ

なんて、なんてね、

 

どうか、安らかに穏やかに

いつかまた出逢える日を、

唯々、待ち望んで居る

 

いつかまた出逢える日を、

あゝ、なんだっけな